「小暮荘」三浦しをん/祥伝社文庫

三浦しをん　さんの本

7編を収録

- シンプリー・ヘブン
- 心身
- 柱の実り
- 黒い飲み物
- 穴
- ピース
- 蜜の味

小田急線世田谷代田駅から、歩いて5分ほど
木造2階建ての古いアパート「小暮荘」

その住人達を中心にしたエピソードの作品集。

 

壁も薄いし、隣や上下階の音も聞こえる１K。
お風呂はなくて（後から増設したシャワースペースあり）
というアパート。

 

NHKの朝ドラで、昭和40～50年代くらいの生活ぶりを
観ていると、
そういう環境で淡々と暮らしていくというのも
悪くないのかなとちょっと思うようになりました。

 

最初の「シンプリー・ヘブン」の時点では、
まあそういうこともあるのかな
というちょっとおかしく微笑ましくもあるエピソードが、

 

徐々に、物騒だったり不思議だったり
いろんな人、人生があるんだな、と広がっていくのが
三浦しをんさんならではの上手さ。

 

「穴」とか、いやいやという話が「ピース」につながって
後半ちょっといい話のように感じてきて
会話のやりとりに、笑ってしまった。。

 

「蜜の味」で、
それぞれのエピソードがつながってCloseしていくのも上手い！

ありそうだな、と思わせますね。

＜小暮荘に寄せられた声＞も載せられています。
小泉今日子さん
角田光代さん
金原瑞人さん