road2vのブログ - a little white rooster

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「希望荘」宮部みゆき/文春文庫

宮部みゆきさんの連作小説集。

次の4編を収録。
「聖域」
「希望荘」
「砂男」
「二重身(ドッペルゲンガー)」


「誰か Somebody」2003
名もなき毒」2006
「ペテロの葬列」2013
に続く杉村三郎が、活躍するシリーズ4作目。


2016年に単行本が刊行されていたらしいのですが気づいてませんでした。
(今回読んだのは文庫版)

■新聞購読止めたデメリットの一つは、新聞の新刊広告をみれなくなったこと。

Amazonでも楽天でも、ネット上でタイムリーな新刊情報にふれるのは
正直今でもむずかしい(なぜなのか不思議。)

本屋の店頭POPで知ることの方がまだ多いのですが、本屋を訪れる頻度も減っており。
注目シリーズの新刊がでているのを後から知ることが多いです。

さて、本作。
前作「ペテロの葬列」は、テレビドラマの印象も強くて(良くできてドラマでした。)
杉村三郎が、メジャーなシリーズ作品として確固たる地位を得た作品だったと思います。

小説の終盤では、杉村三郎が、探偵(調査業)を始めるという展開があるのかもしれない
という示唆があって、
そしてそれが実現したのは本書でしたが、


それにしても。さすがストリーテリングの名手たる宮部みゆきさん、

離婚して今多コンツェルンを離れた杉村三郎が、
どうやって、杉村探偵事務所を構えることになったのか?

故郷に戻ってからの生活、杉村家の人々、杉村三郎という人間、
きちんと書き上げていてる。

「砂男」のエピソードがすごい。。

元妻や愛娘とはどんな関係を続けているのか?
どんな事件を扱ってどんなふうに生計を立てているのか?

それも、本作であきらかになります。
おもしろかった!

巻末の杉江松恋さんの解説が詳しくて、またよいです。
杉村探偵事務所の他のエピソードももういくつか発表されているよう。

次の作品集と、そして新しい長編小説を読めるのを
楽しみに待ちたい!