誉田哲也さんの長編小説。
おもしろかった、楽しく、せつなくて、痛みがあって、
そして最後にちょっとほろりとくる。
バンド:ルーカスのリーダー:佐藤久美子の視点で
語られる高校生2年から3年にかけてのエピソードと
14年後、もうひとりの主役:沢口遥が、
かつて暮らした東京(谷中)に戻ってきたところから始まる
ストーリー
物語のつながりが、ようやく見えてくるのは中盤以降なのだけれど
語り手の二人のちょっと不器用なところも魅力的で
とくに、佐藤久美の前向きな明るさは、終盤のエピソードにもつながって
じんわりひびく。
女子高生剣士の青春を描いた「武士道シックスティーン」シリーズも
よいのだけれど、
あの夏から14年たって、
32歳になったメンバたちの姿も描かれた本編は
ちょっとしっくりきた。
かみしめるように、ぱらぱらと3-4回読み直してました。
おすすめ、傑作です。