宮部みゆきさんの長編小説。
上巻途中から下巻まで一気に読み終えました。
本書につらなる前作「英雄の書」は、
ファンタジー的な世界での行動がメインだったし、
本作でも再登場するユーリもまだ小学生と幼くて、
感覚を共感するような対象でもなかったのだけれど
現実社会で起こった犯人不詳の連続殺人事件と、
敬愛する人をその新たな被害者として失った
大学生の主人公が、犯人を追いかける本作は、
ファンタジーと宮部さん本来の推理小説の魅力がMix-upしていると思う。
主人公のよさを見抜いて声をかけてくれた先輩でもあるベンチャー企業の経営者、
異世界の存在と一緒に出会い、それから捜査の協力してくれる引退した元老刑事、
友達でもあるバイト仲間、彼らの抱えている過去や闇。
宮部ワールドが、またひとつ新しいシリーズで広がった気がします。
新作も読みたくなりました。