宮部みゆきさんの長編小説。
主人公の花菱栄一は、都立三雲高校の1年生。
社宅から新居への引っ越し、
古屋付の土地、かつて写眞館だったその建物を気に入って、
そのまま住むことにした変わり者の両親と、よくできた弟。
写眞館にまつわる不思議な写真の存在から始まるストーリー。
家族と友達、周りの大人たち、
4編のストーリーを通して明らかになる、平和な花菱家の悲しい記憶と
主人公の成長。
大学生になった主人公に封書で届いた1枚のスナップ写真のシーンで
主人公と同じように、過ぎてきた日々を振り返っていた。
濃密な青春小説。
宮部みゆきさんの書いたものだとは、小説だけ読んでいても気づかなかったと思う。
また新しい小説が読めるかもしれない。