2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧
東京駅でのクライマックスにむかって 30人ちかい登場人物たちが、ジェットコースター・ムービーのように 絡み合い、錯綜しながら話が展開する。 Popでlightなストーリーを楽しく、一気に読み終えたが、 途中、これが恩田陸さんの作品であることはすっかり忘…
4人組の銀行強盗、登場人物たちのポップな会話が楽しめる クライム・コメディ。 それぞれ、けして悩みとは無縁でないのにかかわらず、 ユーモアを忘れないところが好きになる。 好感もてる犯罪者を主人公にした小説は、エンタティメントの 確かなジャンルと…
村上春樹さん本人の体験した二つの不思議な話と、 友人から聞いた話を紹介する「偶然の旅人」を イントロダクションにする5編からなる短編集。 奇譚集と謳っているように、どこかで起きていそうな 不思議な話がつづられています。 「ハナレイ・ベイ」 「どこ…
平成大震災(南関東地震)を描いた前作「M8(エムエイト)」から 5~6年後を描いた作品。 新たに相次いだ東海・東南海・南海地震の同時発生によって、 未曾有の大津波が発生する被害を描いている。 物語世界で地道に積み上げられてきた防災のための対応が…
「光の帝国」は、NHKのドラマで始めて見た。 当時はまだ原作者の恩田陸さんも知らなかったが、独特の映像・テイストは魅力があった。 (原作とは設定が変わっているので、派生した単発ドラマということになるでしょうが。) 今回、原作を読んでみてあらため…
デジタルリマスター版によるTV放映。 公開された当時は、フジテレビ製作ということもあって 商業主義的なイメージで少しはすに構えてながめていた記憶がある。 (角川映画には好感もっていたのに、何故だろう?) それでもCMでも何度も流れたヴァンゲリスの…
飯田譲治・梓河人さんによる最新作。 おもしろかった! 上巻を読み始めたら、止まらず朝4時くらいまでかかって最後まで読み終えました。 彼らはフルタイムの作家でないという意識があるので、 新作に出会うと得したような嬉しい気分になるのだけれど、期待は…
「柔らかな頬 」で直木賞を受賞した桐野夏生さんの短編集。 エッセイ集「白蛇教異端審問」は少し前に読んだが、短編集を読むのは初めて。 内容は多岐にわたって、テーマもテイストも統一されていない。 (文学世界?を書いたものもあるし..) 以前、桐野さ…
病気で亡くなる、または亡くなった友達や 家族とのかかわりについて書かれた 7編からなる短編集。 表題作については、直接の後日談になる 「その日」/「その日のあとで」も収録されている。 「きみの友だち」も同様だったけれど、 各編の登場人物たちが、す…
浅見光彦シリーズの新作。 舞台は、新潟、茨城、秋田、岩手、そして東京と展開して 息つく暇もない。 就寝前に軽く読み始めたが、最後まで読んでしまった。 内田康夫さん、近年・渾身の作ではないかと思う。 推理小説と時事的なことがらは、あまり相性が良く…
「本格ミステリー・マーダーズ」の一冊。 恩田陸さんの書いた推理小説を読んだのは、初めて。 今まで読んだ小説とは、また違う世界でした。 各章ごとに、主体となる語り手がかわっていく。 物語は視点を変えながら重なりあっているが、少しずつ輪郭がずれて…
「エデンの命題」(書き下ろし)と「ヘルター・スケルター」の2編を収録。 御手洗潔も石岡君も、吉敷竹史も登場しない作品はひさしぶり。 島田荘司さんの近年の興味の成果が結実した佳品。 このくらいの長さの中篇になると、閉じたひとつの世界が ほどよく完…
湯川/草薙コンビの活躍する短編集、その2。 前作「探偵ガリレオ」と同じく本作も5編から構成される。 一編が短いため、湯川/草薙のキャラクターもわずかしか表現できないのが 難点だったが、2冊目にはいってなじんできたためか親しみが増してきた。 こうな…
沢木耕太郎ノンフィクションIX。 全9冊の最終巻。 先週読んだ機峽磴靴倒れよ」に対して、最近のイベントの観戦記が編まれている。 特に印象に残ったものをあげると、 1983年 第一回ヘルシンキ(フィンランド)世界陸上。 => 今はオリンピックにせまる陸上競…
「容疑者Xの献身」の湯川/草薙コンビが活躍する短編集。 5章とも、不可解な事件がおきて、それを物理学者:湯川が解き明かす。 読了した感想。 物理学者が探偵だから、こうなる..。 正直、期待はずれの印象だったけれど、 何度か読み返してみると、それぞれ…