road2vのブログ - a little white rooster

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「盗作 上・下」飯田譲治・梓河人/講談社

飯田譲治梓河人さんによる最新作。

おもしろかった!
上巻を読み始めたら、止まらず朝4時くらいまでかかって最後まで読み終えました。


彼らはフルタイムの作家でないという意識があるので、
新作に出会うと得したような嬉しい気分になるのだけれど、期待は裏切られなかった。

飯田譲治さんを知ったのは、TVドラマ「NIGHT HEAD」。
映像を手がける人の書く小説は、何故か映像と同じ魅力が感じられるのが不思議。
岩井俊二さんにもおなじ感想をもちました。)

彼らの小説には、
優れたエンタティメントである以上に特別な好感を抱いているのだが、
何故かと読了後に考えてみて、
”主人公たちの考え方や行動”が、私の志向と自然に合致するからなのだなと
思った。だから「アナザヘブン」も「アナン」も同じように好きだと感じる。

物語は、主人公:越ヶ谷彩子の高校時代から晩年まで
彼女が言う3度の奇蹟の”創造の熱い核の直撃"を軸に描いている。
そして”予言”のその後、エピローグ。

彩子の家族や友人たちもそれぞれ魅力的なのだけれど、
ある意味、最悪の敵役である川井紫苑の存在が、まさしく
自分がこうありたいと願う生き方かなと思った。

「アナン」の原野アナンも重要な存在として登場しています。

こんなふうに、自分の過去の作品の登場人物たちを
活かしつづけることができるのは、作家だけの特権だと思う。
正直、仕事としてうらやましい。