病気で亡くなる、または亡くなった友達や
家族とのかかわりについて書かれた
7編からなる短編集。
表題作については、直接の後日談になる
「その日」/「その日のあとで」も収録されている。
「きみの友だち」も同様だったけれど、
各編の登場人物たちが、すこしずつかかわりあって
有機的に広がった世界を構成する。
うまいと思う。
私自身、30代後半になるまで生きてきて、
実際に身近な人の近親者ががんでなくなる経験は何度かあった。
本来、特殊なものになってもおかしくない、人の死を見つめた小説が、
自然に受け止められるようになっているのは、年のせいだろうか?