朝井リョウさんの小説集。
表題作を含む5編を収録
- 水曜日の南階段はきれい
- それでは二人組を作ってください
- 逆算
- きみだけの絶対
- むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった
- 何様
歯ごたえある作品集でした。
映画化された「何者」の登場人物たちの、
それ以前の姿や高校生時代を描くもの、
数年後の姿を俯瞰的描くものありで、
「何者」を読んだあと、時間をおかずに読めば
両作品をより深く楽しめるかと思います。
それとは別にしても
普通に生きているだろうひとりひとりの人間は
様々でそれぞれ異なっていて
単純化できるものではないのだな、
ということが、読み終えた感想です。
高校生たちの姿を描いた「桐島、部活やめるってよ」
のときは、
まだ世に出る前の、若さがあってその後の人生はまだまだ先の見えない
可能性にあふれたものだというものもあったのだけれど
就職を控えた大学生になり、就職して、
そして経験を積んでという、本作での
登場人物たちの感覚は身に染みてきますね。
朝井リョウさんの書きたい小説の姿が
本作には表れている様に感じました。