市川拓司さんの小説集。
- 僕の手はきみのために
- 透明な軌道
- 黄昏の谷
の3編を収録。
読むのは二度目。
ナイーブで弱いのかもれしれないけれど、
やさしくて穏やかな生活。
子供の頃から、成長して、働き始めて、恋愛して
そして老いていくまで・・
時間の経過を追うことで、物語というよりも
いくつかの人生を体験できる感じ。
自分自身、40代も半ばになってきて、
わかってきたことがある。
年をとっていくこと、年齢的な衰えはしょうがないけれど、
それ以外に、社会や職場、
周囲とのかかわりのなかで変わっていくものがある。
自分の考え方や、価値観、感じ方は変わっていなくても、
20代や30代の頃に考えていた将来像、
その中でも控えめで、リスクなく
なんなく維持できると思っていたものも
変わっていってしまう、
のを止められない。