湯川/草薙コンビの活躍する短編集、その２。
前作「探偵ガリレオ」と同じく本作も5編から構成される。
一編が短いため、湯川/草薙のキャラクターもわずかしか表現できないのが
難点だったが、2冊目にはいってなじんできたためか親しみが増してきた。
こうなると、今までの各章のendingなどでぴりりと効いていた印象的な
言葉や振る舞いが、有機的につながって好ましく思えるようになる。
2冊目を読んで、
このシリーズの特徴は、犯人の立場を意識させられるところかなと思った。
湯川の手で解明される不可思議な謎。そのトリックや手法を思いついた
時点で、犯人は行動してしまう。
謎が解明されてしまえば、彼（彼女）らは、
その前で立ち止まれなかったのかなと思う。
普通に身の回りにいそうな人たちが犯人であると
感じられるところが、印象に残る。
短編・長編問わずまた新作を待ちたい。
