上橋菜穂子さんの長編小説。
下巻末尾に、上橋菜穂子さん本人によるあとがき - 人の身体の内と外 が書かれていて
本書の成立過程を理解する助けになります。
異世界を舞台にしたファンタジー長編
リアリティを持たせるための現実世界の土台と、
異世界たる特別な仕掛け。
本書でいえば人間と強いを絆をもつ”飛鹿(ピュイカ)"の描写が魅力的だった。
強国による支配と、支配された国・民族。
国境を脅かす敵国の存在。
復讐が復讐の連鎖を生むことも、
それ以外の選択がとれない人間がいることも、
現実の世界とリンクして、簡単な結論には終わらない。
ユナに導かれたトマやサエたちが
ヴァンを見つけ出して、
そしてオキでのまた平和な生活に戻れることを
願います。
おすすめ。