恩田陸さんのSF長編小説
がっつりしたSF長編でした。堪能しました。
世界観からきちんと作り上げたSF長編って
ファンファジーとか異世界ものがあふれた(これも好きなのですが)
現代では、
なかなか発表されないカテゴリの作品だと思うので
世にでただけですごいと思った。
随分前だけど、
新井素子さんの「チグリスとユーフラテス」を
読んだ時の感じを思い出しました。
出版社、徳間書店なのだな、納得だ。
最近、あまり名前を聞かなかったのだけど
早川書房や東京創元社とならぶ志のある出版社だと評価しています。
<出版社HPの作品紹介より抜粋>
-----
【あらすじ】
14歳の少女高田奈智は、
4年ぶりに磐座の地を訪れた。
これから2カ月の間、
親戚が経営する旅館で世話になりながら、
昼間は磐座城周辺で行われる、
あるキャンプに参加することになっている。
事情をよく知らぬまま
この地を訪れた奈智であったが、
到着の翌朝、体の変調を感じ、
激しく多量に吐血してしまう。
やがて奈智は、親戚の美影深志や
同じキャンプに参加する天知雅樹らから、
磐座でのキャンプの目的を聞くことになる。
それは、星々の世界――
外海に旅立つ「虚ろ舟乗り」を育てる
ことであった。
虚ろ舟の聖地である磐座に集められた
少年少女たちは、徐々に体が変質し、
やがて、歳をとらない体となる。
食べ物もほとんどいらなくなり、
心臓に銀の杭を打たない限り、
死ぬことはない。
そのかわり変質体となると、
一定期間、他人の血を飲まないと、
死んでしまうという。
変質の過程で初めて他人の血を飲むことを、
「血切り」と呼ぶ。
深志は奈智の血切りの相手は
自分だと昔から決めていたと言うが、
奈智は、他人の血を飲むなどという
化け物じみた行為は嫌だと、思い悩む。
そんなことなら、虚ろ舟乗りなんかに、
なりたくない……と。
-----
<徳間書店の作品のURL>
https://www.tokuma.jp/book/b597790.html
試し読みもできます。
下記の作品もどうぞ。