高野和明さんの長編小説。
第65回日本推理作家協会賞（長編及び連作短編集部門）受賞作。
30年前1977年に提出された米国シンクタンクシュナイダー研究所による、
「人類の絶滅要因の研究と政策」：ハイズマン・レポート。
1.宇宙規模の災害
2.地球規模の環境変動
3.核戦争
4.疫病：ウイルスの脅威および生物兵器
そして
5つめの項目
民間軍事会社で働くイエーガーが、難病で苦しむ息子の治療費を稼ぐために
新たに受けたアフリカでの特殊任務と、
急死した父親の遺言メッセージを受けて、
日本で新薬の製薬に動く大学院生の息子：古賀研人
傭兵経験を持つイエーガーたちの視点と、父親の残した謎のメッセージに
戸惑いながらも動き始める研人のまわりで動き始める不審な気配。
どんな裏があるのか？どんな秘密があるのか？
答えが見え始める後半まで、緻密な書き込みで読まされる。
そして真実が見えてきた後半の中でも、登場人物たちと同じように
はかれないものについて、思考が右往左往してしまう経験をすることになる。
読み応えありました。
