2000年、「午前三時のルースター」で第17回サントリーミステリー大賞を受賞した
垣根涼介さんの新作。
主人公は、コロンビアへの日系人移民の子、リキ・小林。
南米移民をテーマにした小説もひとつの大きな柱になっていくようだ。
テーマゆえにこういう終わりかたを選ぶのかもしれないけれど、
長いページを費やした分、さらにもうひとつのエピローグも読みたいと思った。
垣根さんの作品の中では、新作を楽しみにしているシリーズに
「ヒートアイランド」「ギャングスター・レッスン」と続いているシリーズがある。
「君たちに明日はない」はテーマが異色だったが、また良かった。
デビュー作から特徴的なのは、作中で登場する車の描写が魅力的なことにある。
”車が好きなんだろうな”と思う。
それも垣根作品を読む時の楽しみのひとつ。