久坂部羊さんの連作小説集
- 祝葬
- 真令子
- ミンナ死ヌノダ
- 希望の御旗
- 忌寿
信州で代々医業を営む"土岐"一族、
早逝が宿命の一族なのだと語る、土岐祐介の友人である医師:手嶋の目線で
語られる1章から物語が始まる。
長編なのかと思いきや、ところどころ噂や伝聞で語られる
"土岐"一族の人たちの語る章が続きます。
医師一族という物語は初めて読みました。
死に近い場所にいる職業だから向き合うモノの重苦しさがありますが、
葛藤も達観にもリアリティがありました。
最終週は、一転、
88歳になった手嶋の目線で描かれる
近未来(2068年)の世界、
ガンの治癒が可能になり、平均寿命が90歳を超えた世界で
手嶋が思うことは?
ちょっと変わった小説集でした。
最終章は、いろいろと考えさせられるところがあります。