半村良さんの伝説的な伝記SF長編。
発行日は昭和48年。
名前は何度か聞いたことがあったのだけれど、
SF小説を読み漁っていた10代の頃も、結局手に取ることがなく
今に至っていた、そんな小説をようやく読みました。
言葉の古さが、独特の世界観を形づくる中で、
語られていく”ヒ”と呼ばれる一族の姿。
織田信長に明知光秀、
関が原の闘い、
ねずみ小僧、
坂本龍馬に新撰組
そして東京大空襲の夜、
戦後、そして現代(といっても昭和ですね。)
それまでの章で書かれたいくつかの出来事が
重なり合い収斂していく後半は、特に引き込まれます。
楽しめました。