伊坂幸太郎さんの書き下ろし長編小説。
LIFE ON MARS？
架空の日本の地方都市、
警視庁「地域の安全を守る課から始まり
平和警察が危険人物を取り締まるようになっている。
伊坂幸太郎さんの小説には、
リアルに怖い”悪”が登場することが多いのだけれど、
本作では、それが個人だけでなく
社会に中にふつうに存在していて顕在化していく形で描かれていて
怖い。。
（LIFE ON MARS？）火星に住むつもりかい？
は本作のなかでも印象的に使われている。
問題があって、不幸であっても、
地球を離れて、火星にすむことなんてできないのだよ、という文脈で。
近未来の監視社会とかの怖さを描いた作品は
今までも読んだことがあったけれど、その頃はまだ
確かでもない近未来の話であり、肌寒さを感じるようなリアリティはなかった。
SNSが普及した今は、
情報統制された一部の国家だけでなく
ネットで情報のあふれた世界で
本作のような操作が行われていく.
現代の物語になってきている。
いろんな立場の人が、いろんな意見を言える、
それはやはり健全なことなのだなと思う。
あとがきに伊坂さんが書かれているのですが、
デヴィッド・ボウイの名曲「LIFE ON MARS？」
本来は「火星に生物が？」の意味だそうです。
