伊坂幸太郎さんの小説集
表題作を含む5編を収録
- 逆ソクラテス
- スロウではない
- 非オプティマス
- アンスポーツマンライク
- 逆ワシントン
小学生が主人公のエピソードと
その後の主人公たちを描いた作品集。
表題作である「逆ソクラテス」を読み終えたときに
なにか、
強いメッセージのようなものを感じたのですが
キャッチコピーは
「伊坂幸太郎史上、最高の読後感。デビュー20年目の真っ向勝負!」
あとがきに、伊坂幸太郎さん自身の言葉で
「デビューして20年、この仕事をしてきた
ひとつの成果だと思っています。」
伊坂幸太郎さん自身が、
強い意志と自負を持って送り出した作品であることを知って
納得しました。
いくつかの作品に登場する教師「磯憲」は、
伊坂幸太郎さんの小学校時代(4~6年)の担任の磯崎先生の名前を
借りたとのこと。
ジャンルとしてはちょっと異なるけれど、
読後感が
個人的に重松清さんの「小学5年生」を読んだときと重なりました。
私が小学生だった頃も、いろんなことがきっとあったのだろうけど
自分はそれなりに恵まれていて、幸運だったのだろうなとも思いました。
SNSで、広く様々な声を聞くことができるようになって
わかったのは、
普通というのはそれほど普通じゃないのかも、ということです。
-逆ソクラテス
「僕は、そうは、思いません」
(まだ)力も影響力もなくても、
使える矛でもあり盾にもなる、そんな言葉だと思いました。
-非オプティマス
題名の選び方が伊坂幸太郎さんらしい。もしかしてこの題名ありきで
この小説は始まったのかもと想像して、笑ってしまった。
ファンタジーよりも
毒だったり意地悪さだったり、
痛みを伴う感覚があるかもしれないけれど、
(逆ワシントンのような救いもあります。)
おすすめです。
特に、10代とかの若い人たちにたくさん読まれてほしい。
そう思いました。
<集英社のHP>
https://www.shueisha.co.jp/gyakusocrates/