弟10回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
書名からは、どんな小説なのか想像できない、
そういうことも珍しいことでもないけれど、
最初に手にとるかどうかのハードルとしては
あまりよい効果ではない気がする。
主人公は、まだ少年の頃から特殊な技能をもたざるを
得ないような経験をつんで生きてきた男。
妻：奈津と出会いそして田舎での生活を始めていた。
自動車の整備士としての表の顔とは別に
かつて仲間と一緒に特別な便利屋として
生きてきた過去がある。
無理やり定義すればハードボイルド小説の一種のような。
男の性格や、経歴が明らかになるには、
小説をよみ進めるしかなくて、もどかしさがつきまとったけれど
その落ち着きや冷静さ、かつて例がなく
好きになれる主人公だった。
それに他に例がないタイプの事件の展開。
個性的な、作品だと思う。
楽しめた。またこの主人公たちの作品を
読んでみたいと思いました。
