奥田英朗さんの6話からなる連作小説集。
都会で生活する登場人物たち(老若男女)の
性(セックス)にまつわるエピソード。
生きていくことの意義や、価値、
目標や夢、
小説のテーマは数あれど、
人の基本的な欲求のひとつであることを
みもふたもなく書き連ねると、
それだけ、おかしくもかなしいそんな不思議な小説になる。
独立した話かとおもいきや、それぞれぞの物語が
リンクすることがだんだんわかってきて、
それがかえってリアルな現実感につながっていく、
奥田英朗さんならではのうまさです。
書名のララピポは、作中すれ違った外国人が発していた
「A lot of people」から。
いろんなことを真剣に悩んでいても、
人間の基本的なところはこんなものかも、
そういうことも考えました。