マイクル・クライトンの新作。
(本国アメリカでは2006年11月に刊行)
1990年に刊行された「ジュラシック・パーク」からもう18年たとうとしている。
{自分がまだ20代前半だったんだと思うと、すごい時間がたったと思う。
本も買ったし、その後、秋葉原のディスクマップでTHX-LDも買いました。}
本書のテーマである遺伝子テクノロジーの分野では、
ヒトゲノムの解析も完了して、万能胚での夢の治療の
実現も想像されるようになった。
遺伝子特許のニュースはユーモラスでサプライズ的な扱いで
時折、耳にする。
あとがきにて、クライトンの提言がまとめられているが
楽天的なイメージとは別に
現実には、大変なことになってる・・
それが、クライトンが急遽本書を書いた動機。
同時に進行するいくつものストーリー、
報道やニュースをコラージュして作り上げていく
手法はクライトンの小説としても新しい手法なれど、
多くが現実に起きていることをモチーフにしていると
知ると正直暗澹とした気持ちにもなった。
テクノロジーは人の幸せのために、
存在するべきだと思う。
権利、訴訟、地位に、莫大な富。
本書の中で、
象徴的な結末を迎える大口投資家ジャック・ワトソンの姿を見て、
やはり、目指すべきものが何か間違っているのじゃないかな。
そう考えさせられた。