road2vのブログ - a little white rooster

Windows10 64bit化、書庫:PC(パソコン)関連作りました。

「NEXT -ネクスト- 上・下」マイクル・クライトン/早川書房

マイクル・クライトンの新作。
(本国アメリカでは2006年11月に刊行)

1990年に刊行された「ジュラシック・パーク」からもう18年たとうとしている。
{自分がまだ20代前半だったんだと思うと、すごい時間がたったと思う。
 本も買ったし、その後、秋葉原のディスクマップでTHX-LDも買いました。}

本書のテーマである遺伝子テクノロジーの分野では、
ヒトゲノムの解析も完了して、万能胚での夢の治療の
実現も想像されるようになった。
遺伝子特許のニュースはユーモラスでサプライズ的な扱いで
時折、耳にする。

あとがきにて、クライトンの提言がまとめられているが
楽天的なイメージとは別に
現実には、大変なことになってる・・
それが、クライトンが急遽本書を書いた動機。

同時に進行するいくつものストーリー、
報道やニュースをコラージュして作り上げていく
手法はクライトンの小説としても新しい手法なれど、
多くが現実に起きていることをモチーフにしていると
知ると正直暗澹とした気持ちにもなった。

テクノロジーは人の幸せのために、
存在するべきだと思う。

権利、訴訟、地位に、莫大な富。

本書の中で、
象徴的な結末を迎える大口投資家ジャック・ワトソンの姿を見て、

やはり、目指すべきものが何か間違っているのじゃないかな。
そう考えさせられた。