J.アーチャーの新作長編。
副題はクリフトン年代記 第1部。
1920年生まれのハリー・クリフトンを主人公にした長編小説。
アーチャーを取材したロイター通信によると、
「ケインとアベル」出版30周年を記念する作品を書こうと考えいるときに
アイディアが生まれ
1920年から2020年までの100年を舞台にしたサーガに仕上げるつもりとのこと。
「ケインとアベル」の続編である「ロスノフスキの娘」は学生時代に
刊行と同時に読んで、現実の時代とリンクしていく物語を楽しんだ。
(新潮社文庫でも絶版になっているのは未読の読者にとっては残念なことです・・。)
自分とは異なる世代の物語から、現代へのリンクがどう行われていくのか
期待がふくらみます。
本書は、貧しいクリフトン家と裕福なバリントン家の子供たちの成長を軸に
旧い英国の価値観を共有できるのも魅力。
「遥かなる未踏峰」でのマロリーの描きかたもそうだったのだけれど
伝統や歴史は、こんなふうに紡がれていくものだと思う。
第2部も出版されたのを先日知りました。
さっそく注文するつもりです。
それにしても、電子書籍にはならないんだなあ。絶版になった作品だけでも
電子書籍にしないのはなぜなんだろうと不思議。