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「いままで起きたこと、これから起きること。」高城剛/光文社新書

高城剛さんの本

副題は、「周期」で読み解く世界の未来

目次
はじめに――いままで起きたこと、これから起きること
第1章 移り変わる「暦(サイクル)」の歴史
第2章 世界を動かす「80年サイクル」
第3章 2025年は「周期の危機」の惑星直列
第4章 人生を支配する周期について
第5章 これから何が起きるのか?


高城剛さんといえば、
以前の「ハイパーメディアクリエイター」の肩書で
メディアに多く露出していたイメージが強かったのですが
(女優の沢尻エリカさんとの結婚,離婚もありました。)
こういう本を書く人でもあったのか。

テレビなどのメディアでの印象って、切り抜きによる
影響も大きいので、当てにならないものなのだな、
と思いました。

過去・現在の研究資料などを基に周期に着目して
これからの世界・社会について、考察した本書。

「ファクトフルネス」を読んだ時と同じような
印象がありました。


これからの世界・社会について、

自分は、
インターネットやスマホ普及に伴うSNSの発展で、
過去とは、大きく変わったフェイズに入っていると
思っていたのだけれど、

人間の本質が変わらない(周期的な変動を過去繰り返してきた)かぎり
同じような変化を繰り返していく可能性が高い、
という予測をまとめたのが本書の肝。

トランプ政権の誕生にまつわる研究・分析は、
橘玲さんの本でも読んだばかりだったのだけど、上記の文脈の中でも
違和感なかったのが意外だった。


本書で特に印象に残ったのは2点、

1)アメリカ凋落の可能性についての言及

インデックス投資などで、

今年の前半くらいまでは
アメリカへの投資が最強”説一択だったのに対して
最近は、そうでない意見が多数みられるようになっていて
説得力がある


2)気候変動の影響(P128~)

気候変動は飢饉などの食料問題に直結するのて、
世界の情勢に大きな影響がある。

 地気の公転運動の周期性(楕円軌道の離心率)
 自転の地軸の傾きの変化、
 歳差運動
など知らなかった。

英ノーザンブリア大学のバレンチナ・ザルコヴァ教授が
(太陽プリズムを可視化するデジタル画像分析手法を開発
高精度な観測結果を得ることに成功
97%の確率で地球気象の未来を予測)

2030年代に太陽活動が低下し、次の寒冷期が訪れると
確信をもって予測しているとのこと。
(高城剛さんは、直接博士に話を聞きにいっているようです。)
http://pret.yakan-hiko.com/2018/09/10/takashiro_180910/

太陽黒点の数が極端に減って太陽活動が弱まり、世界の気温が
急激に下がったマウンダー極小期(1945-1715年)に
冷夏が続いて日本でも凶作が続いた事例が書かれています。

今年2022年、
ロシアのウクライナ侵攻で、小麦などの食料資源・穀物飼料などが
平和や安定の上で成り立っていたということを
実感しましたが、

近い将来に、地球規模での災害的な影響がくるかもしれな
いという警告です。


<出版社HPの作品紹介より抜粋>
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【あらすじ】

テクノロジーが進化し、社会の姿は大きく変わっているが、
人間そのものは昔からほとんど変わっていない。そのため
人は同じことを繰り返しており、それが社会の循環をもたらしている。
人間だけでなく、万物に周期が存在する。物理学、天文学歴史学
地政学、社会経済学、政治学、気象学
……それぞれの分野の専門家がサイクルの存在を指摘している。
そして2020年代の今、あらゆる分野で大きなサイクルの転換点に立っており、
これからの10年はそれらの周期が幾重にも重なるタイミングとなる。
そしてどのサイクルも、新たなサイクルが危機的なものだと示唆しているのである。
いままで何が起きたのか、これから何が起きるのか。
自分はそれにどう立ち向かうのか。
自分自身のサイクルをも確認し、時代の流れにリンクさせることで、
サバイブするためのヒントを共有する。

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<光文社のURL>
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334046064
試し読みもできます。