湊かなえさんの長編小説。
太平洋を望む人口七千人の港町：
日本有数の食品加工会社 八海水産（ハッスイ）の国内最大工場を有する鼻崎町が舞台。
湊かなえさんの小説の舞台となることが多い瀬戸内海の街でなく、
（おそらく）千葉房総半島あたりが
舞台として設定されているところが、新鮮だし、千葉市に長い間住んでいた自分には親しみがあった、
工場に赴任してきたハッスイ社員の家族と
地元のひとたち、
そして芸術家村エリアに移り住んだ芸術家たち
人たちのこころの軋轢のおりなすドラマというのは
湊かなえさんの小説のテーマのひとつなので
読みながらはらはらしているところがあるのだけれど、
誤解やぶつかりもありながら、
前向きだったり善意を隠せなかったりするところが、
ちょっとほっとしました。
