新井素子さんの、”ブラックキャット・シリーズ"3作目。
あとがき(前編・後編それぞれにある)でも新井素子さん自身がコメントされてますが、
前作「ナイトフォーク」から9年たってようやく刊行された作品です。
9年だもの、Windwos 95も発売前、まだインターネット普及するまえで、
それはファンでもキャッチアップできないよね。
私も続編かかれたことを最近までしらなかったです。
時系列としては、前作「ナイトフォーク」のすぐ後、
9年の時間を軽々越えられるところが、物語のよいところ。
前作でも、前ふりされていた、サティ王国ララベス王妃の
ネックレス"海の涙"がターゲット。
謎に満ちたキャットと黒木の行動とその動機の背景が
明かされて、物語が一気に終幕に向けて動き出す、
そういう話。
このシリーズ、
設定も登場人物たちのキャラクターも、
ある種のおとぎ話というところはあると思う。
10代の少年だった頃と、40過ぎた社会人では、意識もバックボーンも
異なる状態で、シリーズものの新作を読むという経験をして・・
(かつて年上だった登場人物たちも、
ほとんど自分よりかなり年下になってしまったし。)
素直に楽しめるものか・・という懸念も少しありましたが・
でも、予想していたよりずっと違和感なく
新作として物語の続きを楽しめました..
よかった。
次作はいよいよ最終章、楽しみです。
後編には、
"星へ行く船"シリーズの番外編:『α(アルファ)だより』も併載。
このシリーズも、10代前半で読んで以来だからなつかしかったけれど、
こちらは読み返すと、若かりし日の青さがリアルによみがえりますね。