road2vのブログ - a little white rooster

Windows10 64bit化、書庫:PC(パソコン)関連作りました。

「チェックメイト ブラックキャットⅣ 前・後編」新井素子/集英社

新井素子さんの"ブラックキャット"シリーズ"4作目(最終章)。

1作目から、ほのめかされていた
"あの人"とのブラックキャット・ゲームがついに終幕へ。

前・後編の2冊に分かれていて、それぞれに新井素子さんの
"あとがき"が付されているのですが、
前編の・を読んで、ちょっと笑ってしまいました。

私が十代の頃よんだ2作目”II ナイトフォーク"から
3作目の"III キャスリング"まで9年強の時間がたっていて、
(物語の中ではわずかな時間しかたってないのです。)
社会人になった私は、新作の刊行状況をトレースできてなかったのですが、

続けて、それほど間を空けずに出版されたと思っていた本作も
また、IIIから9年たってようやくリリースされたんですね。
{II->IIIの間を越えないようにする、と書いた新井素子さんの
公約を守らせるための、担当編集者とのやりとりがかかれています。}

IIIからIVまで、また9年待っていたファンには、
それは待ちきれなかったでしょうね。

さて、前・後編に分かれた長編。

おもしろかった。

本シリーズは、初作からいろんな伏線やほのめかしが
多くて(それも極端な)作品だったので、

どんな着地をするのか・・・

それが、このシリーズの魅力を損ねない形で実現できるのか?
正直、ちょっと心配していたんですよね。

これぞ、という感じ。千秋に、黒木、キャット、
そして山崎ひろふみ。前作で姿を見せた"あの人”も。

主要キャラクターたちが、それぞれの思惑で(勝手に)動いて
そして、ああ・・というあたたかさとちょっとのせつなさと
希望が残るEnding「ドアを開けると秋の空」。 

後編のあとがきで、
この物語のEndingは新井素子さんが17歳のときに
クラスメイトたちに回覧していた手書きの小説に
ルーツを持つものだと説明されていて、
人生ってちゃんとつながっている..ということですね。

もちろん、またご縁もあるかもしれない。
期待してます。