堂場瞬一さんの長編小説。
10歳、小学校四年の少年たちの川べりの秘密基地、
通り魔の凶行に巻き込まれたことが
彼らと彼らの周りの人びとの人生を狂わせていく。
主人公:北見貴秋は、法律事務所の元所長、
強制的にかつぎこまれた入院生活から脱走した後で、
かつて自分の命を救った同級生:今川出流(いずる)の死を知らされる。
世界を放浪し、突如書いた小説『極北』で注目を浴びた出流、
命の恩人であり、けして無視できない男。
事故なのか、自殺なのか、あるいは。
北見が真相を追いかけることで物語が進む。
堂場瞬一さんの長編小説を、最近続けて読んでいるのだけれど、
小説としての技術が巧みになっていると思う。
作中小説として、配される出流の自伝的小説、
伏線らしきものに気づいた点もあったけれど
最後には驚かされた。