映画化もされた「明日の記憶」をはじめ
いくつもの話題作を手がけている萩原浩さんの本。
ジャンルや作風にとらわれず、というのが萩原さん風。
書名と装丁のイラストをみて、こんな話だとは思わなかった。
零細広告制作会社に勤める主人公:杉山
巻き込まれて手がけることになった暴力団・小鳩組のCI。
本編たるストーリーよりも、萩原さん自身の経験も
反映されいているだろう広告制作や業界に働く制作者たちの生活の
ディテイルが面白かった。
離婚して普段はわかれて暮らす小学生の娘:早苗とのやりとりには
ニヤリとさせられる。
最後は、その分だけほろりときてしまう。
小説としてテーマやストーリーがまとまっているとは
思わないけれど、不思議な魅力がありました。