東京第一銀行・長原支店を舞台にした10話からなる連作短編集。
元銀行員である池井戸潤さんは、
江戸川乱歩賞を受賞した「果つる底なき」以降も、銀行を舞台にした
小説を発表している。
本作を読んで、
改めて他の経済小説や企業小説を書く作家のものとは
すこし違うスタンスなのだと感じた。
おそらくかつて自分が感じたことが、複雑に絡み合って
つむぎだした小説に、不思議な空間を構築している。
特に本書は、その完成度が高くて、
楽しむというより・・仕事や人生を
考えさせられたという感じです。
就職活動を進めている学生たち、
今多いと思うのだけれど、本書を含めて
たくさんの本を読んで、自分の知識・経験だけでは
まかなえない部分を、みて欲しいと思います。