常野物語。
主人公:峰子が、常野一族と邂逅した東北のある集落での少女時代を
「蒲公英草子」と名づけた自身の日記をもとに回想する。
物語の始まる明治後半から、主人公の現在(いま)である太平洋戦争終戦までを
なぞって、人々と一定の距離を保ちながら生き続けている常野一族の姿を
浮かびあがらせている。
今度は、こういう手法できたかと思った。うまいとは思うのだけれど..
サイドストーリー的な一遍になってしまうのは否めない。
壮大なイントロダクションだった「光の帝国」の後だけに、
もっと歯ごたえのある本編が読みたいという欲求の方が強く感じてしまった。
このラインが常野物語の本流なのだろうと思う分、
次作に期待しています。