road2vのブログ - a little white rooster

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「木曜組曲」恩田陸/徳間書店

四年前の冬に亡くなった小説家・重松時子。

彼女をしのぶために
命日である木曜日に「うぐいす館」に集まる女たち。

血縁関係にある若い作家二人つかさに尚美、
異母姉妹であるプロダクション経営者の静子、
ノンフィクションライター絵里子、
そして「うぐいす館」での共同生活者でもあった
時子のデビュー当時からの担当編集者えい子。

いずれも書くことを生業としている5人の女性たち。

時子が死んだ日の行動と記憶をたどりながら、一人一人が秘めていた事実が
ひとつずつ明らかにされて、真実がつぎつぎに新しい表情をみせていく。

恩田陸さんの、「藪の中」的作品が好きという言葉が念頭にあったので、
また・・と思ったら見事にFinishして、良い意味で期待を裏ぎられた。

舞台劇的小説としても、とても完成度の高い作品になっていると思う。

とはいえ、作家(たち)の内面や心情を、赤裸々に書くような
題材を選ぶところが、恩田陸さんらしい。
(作家がこういう小説を書くとエネルギーを消耗するのじゃないかと思う。)