加藤シゲアキさんの長編小説
加藤シゲアキさんの小説を読むのは
2021年第42回吉川英治文学新人賞『オルタネート』以来。
アイドルグループ「NEWS」のメンバーとしても、俳優としても
活躍しているので、その観点から注目を集めているというのは
あったと思うのだけど、
本作、
コロナ禍の始まる前から始まる現在と、
主人公たちが、
無名の画家の調査を進めていく中で、浮かび上がる、
戦中戦後の時代を
生きてきた人たちの思い・人生というのが
つながっていて、
自分自身の経験や知識だけでは測れないものが、
友人や同僚の家族たちの人生を垣間見ることで
つらなっていく
重厚な作品で堪能しました。
終盤、
救いのあるシーンが続くのもよかったです。
代表作になる小説だと思います。
作家以外の肩書がついてくるのは、もうどちらかというと
余計なことなのかもしれないですね。
<出版社URLの内容紹介>
第170回直木賞候補作!
一枚の不思議な「絵」から始まる運命のミステリ。
生きるために描く。それが誰かの生きる意味になる。
ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになった
テレビ局員・守谷京斗(もりや・きょうと)は、
異動先で出会った吾妻李久美(あづま・りくみ)から、
祖母に譲り受けた作者不明の不思議な絵を使って「たった一枚の展覧会」を
企画したいと相談を受ける。
しかし、絵の裏には「ISAMU INOMATA」と署名があるだけで
画家の素性は一切わからない。
二人が謎の画家の正体を探り始めると、
秋田のある一族が、暗い水の中に沈めた業に繋がっていた。
1945年8月15日未明の秋田・土崎空襲。
芸術が招いた、意図しない悲劇。
暴走した正義と、取り返しのつかない後悔。
長年秘められてきた真実は、一枚の「絵」のミステリから始まっていた。
戦争、家族、仕事、芸術……すべてを詰め込んだ
作家・加藤シゲアキ「第二章」のスタートを彩る集大成的作品。
「死んだら、なにかの熱になれる。すべての生き物のなれのはてだ」
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<講談社の作品公式サイトURL>
https://www.chuko.co.jp/tanko/2024/06/005788.html
試し読みもできます。
加藤シゲアキさんのインタビューも読めます。」」
<講談社BOOK倶楽部の作品URL>
https://www.chuko.co.jp/tanko/2024/06/005788.html
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加藤シゲアキさんのインタビューも読めます。