女性芸人:にしおかすみこさんの本
「エンタの神様」でのSM女王様キャラで一世風靡したのは
印象に残っています。
当時から、芸風とはちがう素の姿を、芸人仲間から
からかわれているときの様子に、人の好さが表れていて
好きな芸人さんです。
コロナ禍もあり、テレビでの露出が途切れていた中で
本書の紹介記事を読みました。
せつなく悲しく、呆れたり、怒って突っ込みをいれながらも
家族ならでは、少女時代からの思い出や歴史がある中での
湧き上がってくる思いや愛情。
こういう本を書いてくれて、
それを読むことができること。
よいなと思いました。
<講談社BOOK倶楽部の解説より抜粋>
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「どこのどいつだ~い?」「あたしだよっ!」「にしおか~すみこだよっ」
ロングヘアをなびかせ、SMの女王様の格好で行う漫談で人気を博し、エンタの神様にも出演していた
芸人・にしおかすみこさん。
現在46歳で、髪もバッサリショートヘアにカットしたにしおかさんが
「全員ポンコツ」と語る、自分の家族と介護の物語。
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家族紹介。
うちは、
母、80歳、認知症。
姉、47歳、ダウン症。
父、81歳、酔っ払い。
ついでに私は元SMの一発屋の女芸人。45歳。独身、行き遅れ。
全員ポンコツである。
ただ、皆が皆ずっとこうだった訳ではない。
何十年かぶりに、私は実家に戻った。
まずはその理由を、いや長めの愚痴にお付き合い頂けたら、とても嬉しい――。
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変わり果てた実家。私の知らない母。実家に戻って
住もうなどと、その時は夢にも思っていなかったのに。
ローテーブルの上に、割りばしが突っ込まれたままのカップ麺や缶詰、茶色いお惣菜がこ
びりついたプラスチック容器、半分セメント色したミカン、黒炭のようなバナナの皮等々
の食べ残し、残骸が溢れている。ちょっとしたゴミ屋敷だ――。
どんな状況だって、病気だって、「ポンコツ」な人はいない。
でも、愛を持って私は家族を「ポンコツ」と呼ぶ。
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<KADOKAWAのURL>
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000373035
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