日経電子版と日経産業新聞で1年半にわたり連載されたものをべースに
加筆修正でなく「ゼロから書き下ろし」した本とのこと。
最近ドラマ化もされてました。(録画したけれど未視聴)
本書で語られるのは日本でのインターネットビジネス黎明期に
生まれた、いまでも存在感のあるきら星のような企業、創業者たちの姿。
サイバーエージェント
IIJ
NTTドコモ(iモード)
ヤフージャパン
楽天
アマゾン(ジャパン)
ライブドア(LDH)
ミクシィ
LINE(ネイバー)
メルカリ
U-NEXT(USEN)
GMO
この数年は、米GAFAMのあまりの巨大さに圧倒されてしまっているのだけれど
日本にもこんなにたくさんの会社があったのだなと改めて思いました。
堀江貴文さんの本は何冊も読んでいるし、時代の寵児でもあった
彼らのインタビューや記事などもいくつも読んだことはあったと
思うのですが、本書で初めて知ったことがたくさん。
インターネットが日常生活に初めて入ってきた1990年代初めから
同じ時代をリアルに過ごしてきた自分には、あの頃こんなふうに
黎明期があったのかなど、なつかしさと興味深さと。
800ページ近い分厚い本も、一気に読み終えました。
特に印象に残ったこと。
-ライブドア事件
(私もライブドア株 現物・信用買物ともに所有していてライブドアショックの影響を受けた一人)
堀江さんや村上さん(村上ファンド)の語るライブドア事件の記事は、本やメディアで
いくつも読んできたけれど、本書では、ファイナンス部門の長の宮内亮治さんが語る
事件の側面が書かれていて(杉本貴司さんの成果)貴重です。
急成長(業績)を義務付けられたベンチャーの感じがよくわかりました。
ライブドア事件といわれているものがどこにあったのか、本書で初めて分かった気がします。
フジテレビ買収騒動の後、残った1000億円のキャッシュを思えば、
20億と50億の間で呻吟していたことが、もう少し歯車が変わっていれば。と思ってしまう。
堀江貴文さんに残された、宇宙・ロケット事業(インターステラ・テクノロジー)への思いも
本書を読むとよく伝わります。
-楽天
三木谷さん、日本興行銀行出身でハーバード留学&MBA取得というエリートのイメージが強くて
いわゆるベンチャーの中でもちょっと異なるイメージがあったけれど
最近の楽天モバイルへの挑戦とかみていても、世界一を目指していることに一番現実感が
あるかもしれない、と思いました。
-メルカリ
メルカリにとって米国進出の持つ意味、本書で初めて知りました。
-GMO
事業拡大のための挑戦の過程でこんな理不尽な危機があったのか。
-U-NEXT(USEN)
東京メタリック通信買収を週末2日の差でソフトバンクに奪われた経緯。
自分もこのころインターネット回線
大阪有線の「正常化宣言」を成し遂げた後で、宇野社長にもこんな危機があったのか。