服部真澄さんの長編小説。
主人公:黒谷七波は、ODA事業のコンサルをてがける
「日本五本木コンサルティング」初の女性取締役。
真面目な学生だった彼女が、
実家の困窮による借金の返済もあり、
海外開発事業の影にある巨大なお金に興味をもつところから
ストーリーは始まる。
ODAが単純な善意にもとづく援助でないことは、多少は知っていたが
その裏にあるからくりをこの小説はあきらかにする。
黒谷七波が、初の海外出張で目にした現実には暗澹たる思いがした。
そんな中でも、
すこしでもODA先の国の生活改善をしたいと考える日本の技術者、
まっすぐに期待する現地の協力者たち、
現実は、こんなふうにすこしずつ進んできたのかもしれない。
おすすめです。