楡周平さんの長編小説。
主人公は、総合家電メーカー・三國電算、国際事業本部
北米事業部・部長 唐木栄太郎。
北米事業の立ち上げに携わり、
事業が成功した暁には役員のポストも視野に入ろうと
したときに、
秋田で一人暮らしの母親が雪下ろしの際に骨折して、
介護を必要とするようことになる。
夢を追った結果、
今はかつかつの生活で余裕がない実弟家族は頼れず。
母親のリハビリ、介護に追われて負担がかかった妻が倒れて、
仕事にも支障をきたすようになった結果
閑職に移されることになる、
そして早期退職での退職へ。
家のローンに、大学受験を控えた息子の教育費。
現実の世界で圧倒的に少数派に属すだろう大企業の出世頭にして、
(手取り年収1000万円を超える。)
簡単にこんなふうに生活破綻を来たしてしまう・・
これは、おそらく日本の現実に近いのだろうと感じた。
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物語は、
最後に実弟家族との絆もとりもどして、介護の問題を解決した主人公が
北米進出に乗り出そうとする韓国のライバル企業のオファー受けて
新しくスタートを切る、希望に満ちたEndingになるのだが・・。
いろんなことを考えさせられる。