road2vのブログ - a little white rooster

Windows10 64bit化、書庫:PC(パソコン)関連作りました。

「ジーン・ワルツ」海堂尊/新潮社

海堂尊さんの長編小説。

主人公:曾根崎理恵は、帝華大学医学部産婦人科学教室の助教

学生相手に行われる発生学の講義、
アルバイトで診療を手伝っているマリアクリニックでの描写、

現役勤務医でもある作者ならではの造詣の深さが
やはり妊娠・人口受精などを扱った他の小説とは
すこしちがう視点を見せてくれる。

面白いというよりも、子供が生まれるまでの現実の
困難さに驚かされた。

現代の医療体制、とくに行政面での不手際についての批判が
主人公の口を借りて語られるのだけれど、
海堂尊さんが、小説を書く動機の中で
大きな部分をしめているのだろうと思う。

理恵の上司・味方でもあり、後半で敵として対峙することにもなる、
清川准教授が
あの「ひかりの剣」清川吾郎であることが
後半わかるのだけれど、
帝華大の清川とはわかっていても、最初は結び付けられなかった。

天才外科医:ジェネラル速水とはちょとちがう道を
歩いているんだなと思いながら
クール・ウィッチとひそかに呼ぶ部下:曽根崎理恵に
翻弄されながらも、見守るところは”らしさ”でしょうか?

彼らは、また邂逅することがあるのだろうか。
この後の曾根崎理恵も登場するようなストーリーをまた
読みたいと思いました。