フレデリック・フォーサイスの長編小説。
真山仁さんによる解説で、
本作の主人公であるマイク・マーティンとその弟は、
「神の拳」で主人公だったと書かれていた。
「神の拳」を読んだのはそんな昔ではないとおもっていたけれど記憶になかった・・。
続けて読んでいればもっと楽しめたのかもしれないと
思うと少し残念。
アラブ世界とその宗教についての理解と考察、それが本作の主題であるし、
特殊な侵入が目的であるということを考えると、物語がこまかい事実の羅列で
たんたんと進むのはしかたがない部分であるけれど。
それでも、「イコン」や「アベンジャーズ」みたいな
もうすこしエモーショナルな展開の小説も読みたいと思った。
成し遂げられた成果、
ひそかに称えられるという最終章のリアリティがこの数作の
フォーサイスらしさなのだろうなと思いました。