「ハブテトル」は備後弁で「すねている、むくれている」という意味。
「ハブテトラン」は否定形。
広島生まれの私にとっては、
幼いころからなじみの言葉です。
主人公の星野大輔は、東京で登校拒否になった小学校3年生。
夏休みをきっかけに母の故郷・広島県の松永に転校して、
瀬戸内海の町とひととのふれあいで元気を取り戻していく。
広島、瀬戸内海、
なじみの風土に少年の夏休み、
個人的に特につぼにはまる舞台だけに、素直に懐かしさと
心の中での少年に戻った夏休みを楽しました。
主人公:大輔の素直でまっすぐなところ、
旧友たちとすごす行事や日常、
そして現代の広島ならではのしまなみ街道を使った
今治への自転車での小冒険。
勇気をふるって実現したサノタマミとの再会。
大きな事件があるわけでもなく、
小さな街での少年の数ヶ月のできごとをかいただけの
小説だけれど、よかった。
こういう本を読むとほっとします。