湊かなえさんの長編小説。
テレビドラマ化されたものを観ていて、好きだったので
読書中、頭の中で登場人物たちは完全にドラマのキャストに置き換わって
いました。
ドラマ化にあたっては、丁寧に脚色されていたんだなというのが感想。
それにあらためてベストなキャスティングだと思う。
わずかな違いを設けた理由も考えたりしながら、何度も読み返して
楽しみました。
よかった!
これは名作だと思う。おすすめ。
ドラマモ小説も合わせてみても、重ねて倍楽しめます。
本作には殺人事件の被害者である二人も含めて
6人のNのイニシャルをもつ登場人物がいて
主人公の杉下希美、それに同級生の成瀬慎司が
自分と同じ瀬戸内海の小さな島出身というところ、
(安藤望も長崎の小さな島の出身)
田舎を出て都会で生活、働くところは共感する大きな部分なのだけれど
西崎真人も含めて
思いと小さな秘密を抱えた4人が不器用な様も含めて魅力的で、
お互いに出会った時から、
事件、そして10年後まで
笑えたり、切なくなったり
感情移入してしまうなあ。
執筆時期として本作はプロデビュー後の実質初の作品であるとのこと。
巻末の、千街晶之(ミステリ評論家)さんの解説が、
詳しくそして愛もある深い考察があって素晴らしい。
もっと経験を積んだあとの作品かと思っていたので、意外でした。