精神科医:伊良部一郎センセイのシリーズ3冊目。
「オーナー」
「アンポンマン」
「カリスマ稼業」
そして表題作
「町長選挙」の4編を収録。
こうきたか・・。なるほど。という感じ。
誰でも知っているだろう著名人をモデルにした3編。
最初は、思い切りちゃかしたり笑い飛ばそうということなのかと
思いきや、人間としての共通する部分に親近感を覚えたり、
しんみりしたり。彼らが抱えていた心の重しのようなものから
開放されたときのほっとしたような安堵感は、
今までのシリーズよりも暖かい目線で描かれているような気がしました。
そんな前半の3篇とはガラリと変って、表題作の「町長選挙」、
東京都であるものの、遠く離れた人口わずか2千人ちょっとの小さな離島、
そこで繰り広げられる尋常でなく熱い町長選挙。
主人公は離島研修ということで島に移り住んだ東京出身の若い公務員、
彼におそいかかる地元民たちの強烈な干渉、
そして、やってきた伊良部センセイ+マユミさん。
選挙関係者たちの強いエネルギーと
いいかげんそのものの伊良部センセイ。
どう転がっていくか・・・それはそれは。
とにかく、最近これほど笑ったことないなというくらい
笑ってしまいました。
(電車の中だったので、実際はこらえるのに大変だったのですが、
ヘンに見えたでしょうね。)
とはいえ、また最後はまたしんみりさせるあたりは
さすがです。
次作はどうなるのか・・。目が離せません。