しばらくぶりに読んだ東野圭吾さんの新作小説。
・・こんな小説だとは。
こんな結末になるとは思わなかった。
深夜、電車を待つ駅のホームのベンチで読み終えたのだが、
目がうるんでしまって、困った。
リリー・フランキーさんの「東京タワー」もそうだったが、
親子、家族というものがどれだけおおきな存在だったということを
思いださせる、そんな”なにか”をもった小説のひとつ。
事件はひとつ。
大長編というわけでもなく、物語はいくつかの家族の
ありようを背景に、シンプルに構成されている。
加賀刑事の抑えた発言や行動が、従兄弟である主人公:松宮刑事との対比で
うかびあがって印象的だ。
なにより、周りの人間が加賀をリスペクトしている様が新鮮だった。
「容疑者Xの献身」のガリレオ・シリーズとはまたちがう魅力。
成果主義や、勝ち組・負け組という近年の価値観とはちがう、
こういう世界観もあるのだと思った。
加賀恭一郎刑事が登場する作品を読んだのは初めてだったが、
他の登場作もあるようだ。
他の作品も読みたくなった。
オススメです。