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「刑事 雪平夏見 アンフェアな月」秦建日子/河出書房新社

篠原涼子主演で”アンフェア”として、TVドラマ化された前作「推理小説」に続く
雪平夏見刑事シリーズ第2弾。

面白かった!
小説としてのエンタティメント性は、前作よりも数段上だと思う。
小説ゆえの凝ったしかけも本作では、ちゃんと機能している。

ドラマしかしらない人も、本作をいきなり読んでも楽しめます。


正直、一作目の「推理小説」自体はあまり楽しめなかった。

TVドラマ"アンフェア"は、だからそれほど期待せずに
脚本家が本業の秦建日子さんが書いた小説を、本来のTVドラマは
どんなふうに処理するのかという興味で視ていた。

中盤から独自のストーリに変化して、小説とは独立した世界を
一級のエンタティメントに仕上げていたのが印象的だった。


ドラマ(その後のスペシャル番組も)が原作とはちがう展開をしたため
小説とは連続性がなくなっているが、
ドラマのキャラクターをそのままイメージしながら読んで
違和感はない、というかイメージが膨らんで(画が浮かんで)
かえって楽しめた。

TVとのコラボレーションで、こんなふうに相乗効果をあげることが
できるのは、脚本家が書いた小説の特徴だと改めて思う。

次回作も(あるなら)本当に楽しみです。