探偵ガリレオ・シリーズの長編2作目。
「容疑者Xの献身」に続く待望の小説作品だけに、
とても大きな意味を持つ存在だったと思う。
ヒットしたTVドラマと映画、
（ドラマは私も楽しみました。良かったです。）
小説とドラマ・映画が別物というのは、ひとつの常識では
あるけれど、それでもそれぞれのファンにとっては、
お互いが魅力を引き立てあう存在であってくれればと
思うはず。
本作では、
ドラマのみに登場していた女性刑事：内海薫が登場して
本来、小説でのガリレオ：湯川のパートナーである草薙とのコンビで
二つの世界を上手につなぐ役目を果たしてくれている。
東野圭吾さんの明確な意思が感じられて、
今後の長編小説も期待したいと強く思いました。
ガリレオ・シリーズを長編として成立させるというのは
前作「容疑者Xの献身」とあわせてみて、
ひとつの巨大なトリックをどんなふうに演出して、
描くかにかかっていると思う。
本作も、登場人物である女性たちの複雑な行動や心情を
重ね合わせることで、最期にああという詠嘆を感じることの
できる作品になっています。
ドラマ、映画でファンになった人もぜひお一読を。
