真保裕一さんの長編小説を読むのはかなり久しぶり。
緻密な取材に基づく長編小説というイメージがある真保裕一さんの
小説としては、ちょっと印象の異なる題名。
装丁:カバーのイラストも軽パトカーが怒った顔していたりで
ユーモア小説?を期待させます。
主人公は、賀江署の副署長:脇坂誠司、
刑事である婿に嫁いだ娘が深夜に実家にもどって
妻や弟の不在を報告するところから物語はスタート。
破損したバイクが残された事故現場、
所有者である若手警察官の行方がつかめない、
緊迫状態のなかで、
地元出身アイドルの一日警察署長イベント、
彼女の隠された意図。
脇坂副署長の気の休まらない1日の活躍
緊張感のある分きざみのタイムラインをトレースするように
事態の推移と、あきらかになる事実、
動じずに着実に対処する主人公。
現実的な厳しさもある中でも、すっきりした
主人公の娘の敏腕ぶりには笑ってしまう。
妻や息子のほっこりしたところ
若手警察官のじつは・・という姿
最後のシーンもまたよかった。 楽しみました。