柴田よしきさんの長編小説。
刑事ものだけにかぎらず、OLものとか、いろんなジャンルを手掛けているという
ことは知っていたけれど、こういうジャンルの小説も手掛けていたのか。。
というのが第一印象。
著者本人のあとがきによると、デビュー3作目の作品とのこと。
主人公:木梨香流(かおる)は京都の資質会社の技師。
地下水の水位の急激な低下に異変を感じる中で、
京都御苑では全身の体液を抜き取られてからからに干からびた死体。
古都京都だけに、妖怪が発生するのも、
陰陽師の封印や、1000年の怨念もすんなりとけこむ。
主人公(女性)のまっすぐな行動力、
なにより魅力的だったのは珠星と蒼星の存在、
一歩間違えば、何でもあり的な軽さにもつながりかねなかった危険を乗り越えて
すらすらと最後まで読み終えてました。
東京下町育ちの柴田よしきさんが、その後移り住んで長く暮らす
(1997時点で12年目とのこと)京都を舞台にしただけに、
京都という都への思い入れは、今まで読んだ
(京都・関西出身の作家たちの作品)小説の中でも色濃くてそれも
魅力になっていると思います。
著者の思い入れあふれるあとがき、解説も楽しいです。
シリーズ続編の存在がわかっているのも、
既刊の作品の中で新しい傑作に出会ったときのうれしいところです。