road2vのブログ - a little white rooster

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「アヒルと鴨のコインロッカー」伊坂幸太郎/東京創元社

現代、そして2年前がカットバックしながら進む物語。

洒落た言葉の遊び、凝った構成、
それはいつもの伊坂幸太郎さんのスタイルなれど、
読み始めて、最初は正直すこしうんざりした気分もあった。

そのための小説? そのための小説? という感じ。

予想される展開、上手に編み上げられていくストーリー。

そして、二つの世界がつながって、転換。
ああ、そういうことなのかと思った。
言葉の遊びも、饒舌さも
この小説のための必然なんだ。

何度か読み返して、あらためてそう思った。
うまいなと思う。コインロッカーでのシーンが映画のように
想像できる。

平和に、健康に生きていれば、
人生は退屈で平凡なもののように思ってしまう。

けれど、たとえば数年であっても
多くの、すごいことができる、そういうものだと思った。