家を建てる・購入することにまつわる9編の話を書いた短編小説集。
以前、本屋の”家・マンション”関連コーナーでこの本を手にとったとき、
あとがきを最初に読んで著者が家を建てた実体験にもとづいた準ドキュメントだと
思いこんでいたけれど、良い方向に期待を裏切られました。
いろいろな家族の人生とドラマが、家というものに結びついていて..
一遍一遍はそれぞれとても短い話だけれど、他の小説と違って
考えさせられることが多いのは、やはり家を買うことがとても
大きくて重要な人生最大のイベントだからなのだと思う。
私の友人たちも、
ここ数年で、家やマンションを購入している。
住宅ローンの低金利や減税もあるし、価格自体が手ごろなものになってきたのもあるけれど
やはり、最大のきっかけは子供の新しい誕生や成長のようです。
この本には、表題のように”家を建てなきゃ良かった"と思った話と
見延さんがいう”もう一回くらい家を建てていいかな”と思った話が
並んでいて、家を建てることを考えている人は読んで損はないと思います。
P.S.
著者紹介の欄で知ったのだけれど、見延典子さんは、1978年早稲田大学在学中に
あのベストセラー「もう頬づえはつかない」を書いたひとらしい。