road2vのブログ - a little white rooster

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「うちの子が結婚しないので」恒谷美雨/新潮文庫

恒谷美雨さんの長編小説
 
主人公の福田千賀子は57歳。

一人娘の友美28歳がまだ独身で結婚の気配がないことを気にしている。
冒頭、お互いに一人娘がまだ独身である悩みを共有していた
友人からの年賀状での、娘が結婚したとの急なそっけない報告に
ショックを受ける。
 
それから福田夫婦は、友美も巻き込んで
“親婚活”を開始する。
“親婚活”についてはテレビなどの聞いたことはあったけど、
そこまでするものなのかな思っていた。
 
けれど。。
時代は変わっているといっても、親世代やその家庭で
育った子供たちの感覚は様々で。。
結婚がこんなに大変なことだったとは。。
 
多くの普通の人が、
普通に結婚して、そして子供が生まれるというイメージは
もうかつてとは状況がちがっているのだなと
心にしみます。
 
正直、自分も若い頃にこの本を読んでいたら
意識が変わって、
結婚できていたのかもしれないな、と思いました。
 
若い人にこそ読んでほしい。
 
若い自分や、そのときの出会いがどれほど貴重で
そして奇跡的なものなのか。。
 
デートを何度か重ねた後に関係が破綻したときに
友美が、
-- ああ、また貴重な若い時間を無駄につかってしまった
と嘆く気持ちが、よくわかるようになります。
 
福田家のハッピーエンドと
そしてもうひとつのスタートを期待させるスタートもよかった。
おすすめ。